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とりなし

堀 妙子

今日の心の糧イメージ

"イエスのみ心の祭日"を翌週にひかえた日のことだった。

私は不安になると調布のチマッティ神父の遺体が安置された地下聖堂に行ってとりなしを願う。地下聖堂ではミサが終わったばかりで、司祭が「小聖堂のイエスのみ心のご像が盗まれた」と嘆いておられるのを耳にした。

私は、司祭に「私の家に、み心のご像がありますので、差し上げます」と申し出た。司祭は「どのぐらいの大きさ?」と聞かれたので、「90センチぐらいの高さです」と答えた。司祭は「ご像を取りに行きます」とおっしゃった。3日後、私の住まいの近くにあるコンビニの前でお渡しすることになった。

その日は大雨で、み心のご像をビニールで覆い、コンビニの店長さんに頼み、レジのそばに置かせてもらった。まもなく司祭が現れ、ご像を渡した。ご像を見て司祭の顔は輝いた。丁寧に車の荷台に入れて帰って行かれた。

このご像が私のところに来るきっかけは、所属教会の大掃除をしていた時に香部屋の奥から出てきたものだ。普段は聖書の勉強会の部屋に置いてあった。主任司祭に「このご像をください」と言ったところ、「よくお祈りするのですよ」と言ってくださった。教会から家までみ心のご像を担いで帰宅した。それから3年間、このご像は苦しみを共にしてくださった。

イエスさまはすべての人に愛を注ぐ存在なのだと思った。

私の洗礼名はガブリエル。神さまから受胎告知のために遣わされた天使だ。この名前をいただいてから私の役目は、とりなし・・・というよりも「使い走り」が多い。誰かのために何かを届けたり、誰かのために頼みに行ったり...。「使い走り」、マリアさまが私に与えてくださった役目だと思っています。