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ぬくもり

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

沢山の品物に囲まれ、大量生産、大量消費の時代に生きる私たち...。私たちの周りには様々なものがあふれている様に思いますが、品物の多くはおそらく機械で作られたもの。寒々とした印象を持つこともありますね。その様な中、街の中を歩いていて、お店の人が何かを作ったりしている姿を見かけると、ふと立ち止まってその姿にじっと見入ったり、その品物を買ってしまったことはないでしょうか。手作りに心が留まるのは、作っている人の暖かさ、心を感じるからなのでしょう。

しかしながら手作りでないものも、作られてゆく様子をイメージすると、色々なことを思い巡らすことができるでしょうね。きれいに正しく作られているか、目や手で確認している人の姿。作った品物を包み、梱包して、待っている人々のところへ「我が子」の様に大切に送り出してゆく人の姿などなど...。

そしてその品物をいただいた私、買った私、使っている今の私...。その品物の後ろには人の大切な思いがある...その様に思いを馳せてゆくと、私たちの身の回りにある全てのものに「ぬくもり」を見出し、「ぬくもり」を感じてゆくことができるかも知れません。そうなると全てのものが、大切なもの、愛おしいものとなってゆくのでしょうね。きっと。

もしその様になってゆくなら、今までは冷たく寒々とした様に見えていた、感じられていた世界は、暖かさに満ちている世界なのだ...と私たちの見方が大きく変えられてゆき、私たち自身、大きく変えられていくことでしょう。

今日も新たな一日が始まります。自分の回りを改めて眺めながら、見つめながら、私たちへの「ぬくもり」を探しながら、感じながら、過ごしてみてはいかがでしょうか?