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誕生の喜び

小林 陽子

今日の心の糧イメージ

「おめでたです!」とお医者さんから告げられた時から、若いカップルの悩みが始まりました。

赤ちゃんの誕生はうれしい!でも、これから出産、そして育児と、長い子育てが始まるのに、経済的にも精神的にもゆとりがなく、実家の両親からも、あと1年か2年待ってからにして。そうしたらベビーシッターとして協力してあげるから、と言われました。

M子さんは19才。福祉の専門学校生です。夫は動物園の飼育係、まだ独立して所帯を持てないので、週末にM子さんのいる実家を訪ねる〈通い婚〉なのです。

産もうか、どうしようか・・・。神さまから贈られた大切ないのちなのに。

そんな悩みの中で迎えたクリスマスでした。

天使のお告げをうけてマリアは聖霊によって身籠りました。と、聖書にはあります。驚き、怖れ、不安に襲われるマリア。まだ男の人を知らない処女マリアなのです。けれど「神さまにおできにならないことはない」との天使のことばに、マリアは、「はい。仰せのとおりになりますように」と応えました。

M子さんは、あっと叫んだそうです。

「そう、そうなんだわ。イエスさまのいのちは私の赤ちゃんの内に宿り、わたしの赤ちゃんのうちにイエスさまも宿られる!」

だって、マリアさまも、先行きを考えれば、怖くて不安で、どうしてよいかわからなかったでしょうに、神のみわざが自分の身体を通して成し遂げられる、救いの道具となることをそのまま素直に受け入れ、信じたのですもの。わたしの赤ちゃんがわたしのうちに宿ったのも、神さまのみわざ・・・。

イエスさまの誕生もはじめから奇跡そのものですね。

M子さんの迷いがふっきれると、周囲も変わり始めました。

祝福のうちに、やがて赤ちゃんの誕生を迎えます。

小さな奇跡です。