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繋がり

小林 陽子

今日の心の糧イメージ

とっておきの隠れ家を見つけました。

あるひとは言語障害があるのでお話はできません。たとえできたとしても、ちょっとズレるというか、うまく会話はなりたちません。 それでもいいのです。

「なにかお手伝いできることありますか」とスタッフのひとに訊きました。お皿洗いとか床の掃除とか。すると、「なにもなさらないで。ただ一緒にいてくださるだけでいいのです」 。ただ一緒にいるだけでなにもしない・・・じつはこれってとっても難しいことなんですね。

ボランテイアならばふつう、からだの不自由な方には車椅子を押したり、お掃除や料理、買い物などをしてさしあげられます。どこかでそういうものだと思い込んでいるので、なにもしないでただそばにいて見守っているだけって、居心地がわるくなってしまうのです。服の袖に手を通そうとして、うんうんうなっているのを見るとつい手がでてしまう・・・ 。

大きな声でさけんでいるあなた。いっしょうけんめいテーブルをたたいているあなた。赤ちゃんのようにきゃっきゃとわらっているあなた。

ごはんをたべておかたずけ。お茶碗あらうひともいる。

ありのままのあなたをあるがままに見ている、ただそっと見ているだけ。

気がつくとゆったりと一日が過ぎて、お祈りの静かな時間があって、短い歌をうたい、みんなで「おやすみなさい」。この安らかなたとえようもないよろこびはどこからくるのでしょう。

こんなわたしを受け入れてもらったのです。言葉がなくとも、わかりあえるのです。

なにもしないでただ一緒にいただけだったのに、癒されたのはわたしのほう。

とっておきの隠れ家で一緒に生きる仲間たち。

ずっとずっと繋がっていたい、この仲間たちと。