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繋がり

植村 高雄

今日の心の糧イメージ

人の繋がり方は家族、職場の上下関係等で、そのありようは違ってきます。その関係の中でも、冷たい関係、人情溢れる暖かい繋がりもありますが、この心の繋がりは複雑で、神秘的で、美しい愛だけで繋がっているとは言えません。

赤ちゃんは、当然愛情豊かな環境の中で育てられるはずですが、現実には、放置状態、ただ食べさせてもらうだけ、という悲劇もあります。そんな環境の中で育てられて大人になりますと、とかく心が不安定で、すぐ暴力をふるう人間に成長していく事例が沢山あります。本人も自分の心をどう処理したらいいか苦しみます。

さて、どんな良い環境で育ちましても、13才くらいになりますと、若者は生理的に混乱する年代を迎えます。混乱しがちな青春の心を、どう処理し何を大切にして生きていけばいいのか、若者は苦しみます。つまりアイデンティティの統合を、どの方向に繋げ、何を信じ、大事にしたら、この苦しい混乱感が統御されていくのかと苦しむ時代を迎えます。ここが人生の神秘的なところです。

私は高校2年生の時、ドイツの神父さんと偶然出会い、神様との繋がり方を、その神父さんから教えて頂きました。

洗礼という繋げ方は強烈な力を持ち、繋がると激流のような気づきが湧き出した記憶があります。信じると見えてくるものもあり、パイプが繋がったなあ、という感動を今でも鮮明に覚えています。

美しい恋人に遭遇したり親友が生まれたりしますと、そこに命の輝きがうまれてきます。

神の愛という大きな海に繋がり、その豊かな心が自分に流れ込んできますと、青春の混乱感が見事に整理され、生きる希望と喜びが湧き出しました。この、神さまに繋がった思い出は私の宝物です。