2017年11月13日の心の糧


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繋がり

松浦 信行 神父

今日の心の糧イメージ 今から30年前、私が神父への勉強を続けていた頃、住んでいた修道院の教室で行われた、「いのちの電話」という電話相談のボランティア相談員になるための講習会に参加したことがあります。同僚がその相談員だったため、講義のみの特別配慮の受講でした。

講師の先生は、カウンセリングの専門の方で、その講義で様々なことを学びました。例えば、ヨハネ福音書の4章にある、イエスと罪深い女との会話は、イエスがとても素晴らしいカウンセラーだったことを証ししているのだそうです。その女性に寄り添いながら、ある時はすれ違いから相手の興味やこだわりを推察したり、関わりが出来た頃に相手にチャレンジしたり、興味の方向性の中でともに歩んだり、そして理想の世界へ導入したりといった、色々な要素を見つけることが出来ると指摘されました。さらに、現代の心理学から見ると、イエスの、人を見抜く力と、人に同伴する優しさは、現代でも通用するのだそうです。

そして最後に、講師の先生はこう締めくくってくださいました。「いのちの電話には、これから自死しようとする方からの電話も多いです。そして色々な対話の中で、電話を切らなければならない時が来た時、最後の手段として、こう語ることも出来ます。今度何月何日頃、またお電話くださいね。待っていますよと。すると、必ず約束した日までは自死しません。」そして講師の先生は最後にこう話されました。「しがらみによって自死に追いやられる人も、同じしがらみによっていのちが救われるのですね。人間は関わりの中で生きているということです」と。

この30年間、このことばの重みを噛みしめながら、私は日々過ごしてきました。