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繋がり

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

ある程度長く人生を過ごしてきますと、人の繋がりに驚かされ、つくづく「世間は狭い」と実感してしまいます。

私は医者の家に育ちましたので、子供の時から患者さんの出入りをみてきました。また、小さい時から習い事をあれこれしていましたし、学校も一貫校ではありませんでしたから、大人になるまでに普通の人より多くの人と会ってきたと思います。

その後50年近く人に教える仕事をしているものですから、顔や名前が思い出せる人は優に1千人を超えます。その中で思いがけない人々の繋がりを見聞きしてきました。身近にいる人なのに何年も繋がりに気付かない場合がある一方で、苗字を聞いた瞬間(もしかしてこの人は・・・)との勘が働き、すぐに繋がりが解る場合があります。すると瞬く間にとても打ち解け話題が広がります。するとその新しい話題の中で次なる人の繋がりが明らかになります。そして皆、苦笑いも含め笑顔になって「世間は狭い」「悪いことは出来ませんね」と頷き合うのです。

ところで私は洗礼を受けてから、誕生日を迎えるごとに、それまでの1年に初めて出会えた人との出会いに感謝し、次の新しい年にどんな思いがけない出会いが用意されているのか神様に祈り委ねます。

「神様はいつも私たちと共に居て下さって人との出会いの中で聖霊が働いて下さるのよ」と教えて下さったシスターの一言に、それまでの人生がいかに出会った多くの人に助けられ守られてきたことかと反省し、感謝のうちに洗礼を決意したからです。

それから50年が過ぎ、出会いの蓄積が網の目の様な繋がりになって私の周りに広がり、今後も生きている限り広がり続けます。

「人の縁」というこの繋がりは、神様のご計画なのでしょう。