そして、新郎側の1番前に席を占めていた私の目の前で、お父さんは新郎に花嫁の手を渡しながら、何度も何度も頭を下げて、「娘をよろしくお願いします、よろしくお願いします、どうか、」と絞り出すような声で仰るではありませんか。
これが親なのですよね。これを見て、私の目からはこらえていた涙がどっと吹き出してハンカチもグショグショになってしまいました。私の隣りで、妻も同じようになっていました。
こうして、式は進み、聖書の朗読のところでは、私がこれを担当しました。多分、神父様は、花嫁の父親は花嫁を祭壇に導く役目があるのに、花婿の父親には何も役が無いので、気遣ってこの役を下さったのだと思います。
ここで私は、旧約聖書の雅歌から幾節かを朗読したのですが、その際、聖堂内にいるすべての人にそのメッセージが伝わってほしいと思って、常々素晴らしいと思っているある朗読を参考にしたのです。それは、実は、「心のともしび」の朗読だったのです。
こうして、神様の御前で、両家の間に固い繋がりが出来たのでした。