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繋がり

阿南 孝也

今日の心の糧イメージ

世界90か国で事業展開するコーヒー大手チェーン店のカップが話題となっています。2016年11月に斬新なデザインが登場したのです。遠くから見ると細かな線の模様にしか見えません。ところが近づけて見ると、大勢の人が描かれていることに気づきます。年齢や人種などが異なった132名もの人物が描かれているのです。そして最も大きな特徴は、絵全体が一筆書きで描かれているということです。一筆書きとは、筆記具を離すことなく繋げて描く方法のことです。ですから、すべての人が1本の線で繋がっているのです。残念ながら、このカップでの販売は、アメリカ合衆国限定であって、日本上陸の予定はないそうです。カップのデザインを手がけたのは日本人アーティストです。先日テレビで、彼の仕事ぶりやアメリカでの暮らし、家族の様子が放映されました。

多くの人が1本の線で描かれたデザインには、皆一つになろうとの願いが込められています。チェーン店の最高経営責任者は「カップのデザインは、当社が従業員やお客様との間に築いてきたコミュニティの絆を表したものです。アメリカが分裂している今、我々の価値観や、互いを尊重することの必要性を思い出すために、結束のシンボルとして作成したものです」と話しています。

「私はまことのぶどうの木、私の父は農夫である」で始まるイエス様のたとえ話が思い出されます。「私はぶどうの木、あなたがたはその枝である。人が私につながっており、私もその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ」。(ヨハネ15・1と15)

私たちが、このイエス様からの愛の呼びかけに心を開き、ちぎれた絆を回復し、愛の一筆書きを完成させることができますように、祈りたいと思います。