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繋がり

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

"持ちつ持たれつ"の世の中、人と人の繋がりほど、大切なものはありません。

人間は、誕生した瞬間に、両親との人間関係を持ち、さらにその後、兄弟・姉妹、友人、恋人、配偶者などとの関係を通じて、ひとりの人の人生は、多様な人間関係を営んでいきます。ところが、この多様な人間関係が、悩みともなっているのは意外です。近年、しばしば行われている「人間が抱える悩みは、何か」についてのアンケート調査によると、ほとんどの場合、「人間関係の悩み」が、その最上位に位置しているということです。

人の人生は、まさに、人間関係の歴史そのもの。その中には、良好な関係もあれば、険悪な関係もあります。またその関係は長く続くこともありますが、せっかく築き上げた関係が短期間で崩壊してしまうこともあります。憎しみ、ねたみ、疑心暗鬼、へつらい、などが、人間関係を歪め、悩みのタネになっています。

家庭内では、夫婦関係や親子関係が歪み、離婚や家庭内暴力が。学校においては、先生と生徒、あるいは生徒同士の人間関係の歪みから、校内暴力、いじめ、登校拒否、最悪の場合、自殺事件とまでなる昨今の現状は、実に嘆かわしく、だれもが、なんとかしなければ...という切迫感に襲われています。

      

「愛は寛容なもの、慈悲深いものは愛、愛は、妬まず、高ぶらず、誇らない。見苦しい振る舞いをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人の悪事を数え立てない。不正を喜ばないが、人とともに真理を喜ぶ。すべてをこらえ、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐え忍ぶ」。(1コリント13・4~7)

聖書の一節ですが、この言葉を謙虚に噛み締めたいと思います。