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年を重ねる

末盛 千枝子

今日の心の糧イメージ

私自身、もう老人の年になってきましたが、老いてきて初めてわかることのなんと多いことだろうかと思うのです。これは、本当にお恵みだと思います。

例えば、若い時だったら、とても手が出なかった難しい本も、今ではとても面白く読むことが出来るようになっている自分を発見することがあります。これは、きっと、いろいろなことを経験してきて、そこで扱われているような難しいこともわかるようになってきているということではないかと思います。

そして、いろいろな人がいろいろな人生を一生懸命に生きているのだということも、心から納得するように思います。これは幸せとは何だろうか、ということとも関わるようです。昔、頂いたカードに、そのようなことが書いてありました。つまり、人はそれぞれみんな違った困難を抱えて生きているのだから、愛し合わない訳にはいかないでしょう、というようなことが書いてあったと思います。自分が生まれる環境は選べないのですから、世界で悪いことをしたと言われる人たちのことも、もし私が、その人の立場だったら、同じことをしたかもしれないと思ってしまいます。もちろん、それにもかかわらず、そこから立ち直ることの出来る強い人もいます。そういう人を本当に貴重な存在だと思います。

昔はあんなに素直に人を愛そうと思えたのに、それがなかなか難しくなってくることもあるように思います。どうしてだろうかと思うのですが、これはもしかしたら、私たちが、あまりに自分で何でもしようと思うからかもしれません。そのような時、それはもう神様にお委せするしかない、そういうことに出会っているのかもしれないと思います。