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年を重ねる

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

赤、青、黄色、この3色を混ぜると黒色に。そして赤、青、緑、この3つの光を合わせると白い光になります。この様に色や光を重ねると変わってゆきますね。

「年を重ねる」場合はどうでしょうか。例えば木。木は1年の中で、成長が盛んな時、ゆっくりな時があり、年輪となって、年を重ねる毎に一つづつ増えてゆきます。

では私たちはどうでしょう。幼稚園の年少さんが、4月から新しい年度を迎えて年中さんになると、自分のことだけで精一杯だった子たちが、小さな子の面倒も見れるようになり、お兄さんお姉さんに成長してゆきます。少しづつ少しづつ。このように私たちも成長し、年を重ねてゆくのではないでしょうか。

年を重ねるにつれて成長するもの、深まるものも多いのですが、成長が止まり、薄くなり、忘れ去り、なくしてしまうものもある様に思います。昔はとても人に優しかったのにネ、こんなことを言われたことはありませんか。もしかすると、自分でも気付かぬうちに大切なものを、手放してしまったのかも知れません。

私はどの様に年を重ねているのだろうか、どの様に年を重ねてきたのだろうか。ふと立ち止まって振り返り、新たに歩み出すのは大事なことの様に思います・・・。

私たちは常に変えられてゆきます。あの人は若い頃、とても厳しかったけれど、今は角が取れて丸くなった・・・。きっと何かがその人のうちに起こったのですね。様々な出来事や出会いがあって、変えられたのかも知れません。もしかすると、何かを悟ったのかも知れないですね。

一人一人、歩みは異なりますが、よりよく年を重ねられれば嬉しいでしょうか。目の前にある今日という日を大切に過ごしながら、年を重ねてゆきましょう。