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年を重ねる

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

年を重ねていくということは、人との出会いと別れを重ねていくこと。また、自分にとって、よいことであっても、悪いことであっても、様々な出来事の経験を重ねていくこと。そして、人生における思い出を積み重ねていくことではないか、と私は考えました。

確かに、年を重ねていくに従って、手足が動きにくくなったり、目が見えにくくなったり、また、病を積み重ねていったりもしますが、年を重ねていくプラスの面に目を向けると、積み重ねていくものが多々あることに気づかされます。

言葉を変えれば、人生とは人と人との出会いと別れ、新しい出来事との出会いの連続でもあります。新しいことを待ち望み、それを受け入れていく心さえ失わなければ、私たちの毎日は、新しさに満ち満ちています。それがたとえ、毎日の変わらない日常風景であっても、全く同じ瞬間はありえないのです。

そして、聖書のことばを読むとき、また、神さまとの祈りのうちに過ごすときも、このような新しさに気付く瞬間です。全く同じ聖書の個所を読んでも、また、いつもと変わらないような祈りのひと時であっても、心がけ一つで、常に新しさに気付かされます。わたしの心に語りかける聖書のことばは豊かになり、神さまとの語らいも深まっていきます。ひと言で言うと、神さまとの出会いもまた、新しさに満ち満ちています。

「積み重ねていくこと」とは「変化」が伴っていくのではないでしょうか。もちろん、自分自身が全く変わらない、という選択もできますし、年を重ねるにしたがって変わることへの抵抗もあります。しかしながら、変化を受け入れながら、確実に何かを積み重ねていくならば、わたし自身は変えられていくのだと思います。