案の定、学生さんからは「昔は大変だったのですね」とのコメントがきて、「昔って言わないでー」と悲しくなったりもしました。
でもそれ以上に、「経験を踏まえた発言に胸を打たれた」、「考えの根拠がはっきり分かって目からうろこだった」など、いま現在に視点をおいた反応が続々と返ってきました。単なる昔話として聞かれていなかったこと、何よりも、現在の私の気持をそのまま受け止めてもらえたことが嬉しく思えました。彼らにとって重要だったのは「いまの」私の考えや話であって、過去に重ねてきた年齢ではなかったのです。
さまざまな衰えから、年を重ねることには重荷が伴います。しかし、いまを生きることの大切さは、いくつになっても変わらないのではないでしょうか。学生さんたちは、そのことを思い出させてくれたのでした。
しばらくして、電車で乗りあった83歳の女性が、「きょうできることをする」と言っておられました。同感です。
いまが重なって年が重なるのです。だから、しっかりした「いま」を重ねていきたいと思います。