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年を重ねる

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

樹木の切り株を見ると年輪が刻まれていることが解ります。風雪に耐えてその地に立ち尽くした樹齢を数えると、人間が年を重ねるのも同様に思え、感慨深いものがあります。

ことに屋久島の屋久杉はとても複雑な年輪がきざまれています。波型になったり、年輪の間隔が一定ではなく樹齢がかぞえにくい杉の木があります。それは過酷な気象環境によるもので、線の間隔が狭くなったり、とてつもなく複雑にひろがったり、その変化を辿って調べると過去の雨の降り方や気温の異常までわかるのだそうです。

人生の年輪もきれいな渦ばかりというわけにはいかないでしょう。順調な年もあれば病気になったり仕事がうまくいかない年があったり、年の重ね方は決して同じではありません。それでも一定の歳月が過ぎて振り返ってみると着実に年を重ねてきた日々があった事を実感するものです。

バウムクーヘンというお菓子があります。木の切り株をイメージしたドイツの焼き菓子です。外側は大木の幹のような感触のすべすべした砂糖菓子ですが、輪切りにすると切り口には綺麗に整った年輪状のスポンジケーキが現れます。飾り気はなくシンプルな見た目ながら、味は素朴で材料の良さがにじみ出た飽きのこない美味しさです。

人間も年を重ねることで尖っていた個性も次第に角が取れて、その個性が人柄の味になっていきます。

神様のご計画でこの世に生を得た私たちです。

生かされるはずの期間を生かして下さる神様に感謝して日々の勤めをはたすことで年を重ねるなら、どんな人生を送ることになろうとも、必ずその人らしい味わいある人生になるはずです。

人生がバウムクーヘンならば神様は最高のパティシエだからです。