アイヌの人々の中でも、阿寒湖温泉のコタン(村)に暮らす秋辺さんと夫は意気投合しました。会食をした時、秋辺さんからアイヌの言葉を教わりました。「イランカラプテ」です。「こんにちは」という意味なのですが、その奥に、あなたの心にそっと触れさせてください。そんな謙虚な気持ちが込められた挨拶の言葉なのだそうです。
「素晴らしい。これこそアイヌの世界観があらわれた挨拶だ。秋辺さん、一緒にイランカラプテの歌を作ろうよ」
秋辺さんと夫は電話で、ファックスで、メールで何度となくやり取りをしました。
昨年の夏、「イランカラプテ~君に逢えてよかった」作詞・秋辺デボと新井満、作曲・新井満が完成しました。北海道へやってくる旅人を暖かく迎えるこんな歌です。
遠い町からはるばると よく来てくれたね旅人よ
ここは森と湖の大地
鳥は歌い 風は大空を吹き渡る
イランカラプテ イランカラプテ
君に逢えてよかった 今日はいい日だ
私たちはなぜ北海道へ移住したのでしょうか。それは、アイヌの人々に出会い、一緒に「イランカラプテ」の歌を作らせようとする神様のお計らいだったのかもしれないと、ふと思うのです。
用意周到に先々の事を予想し計画実行するような場合は先取りすることが重要です。子供達の教育や、都市計画、旅行、健康管理など色々な場合があります。先取りするためには、注意深い観察と次の変化をある程度まで予想しなければ上手くいかないので、当然勤勉な努力が身に付きます。生き方が積極的になり、新しい出会いも多く人生は豊かでしょう。
先取りはせずに、マイペースで現状維持こそ安心という生き方では、人生に安住してしまい発展は望めません。
聖書の「タラントの話」(参:マタイ25・14~30)にある、主人から託された5タラントを、働いて10タラントに、また2タラントを4タラントに増やした僕は、先取りすることが出来た人であり 託された1タラントをそのまま土に埋めていたという僕は、安全第一の守りの姿勢であったということになります。
人生で託されたタラントが如何程であるか、本人には分かりません。聖書では、主人は5タラントと2タラントを託した僕を褒めたが・・と続きます。となれば、人生では謙虚に努力した結果、先取りする事になるのが最善なのでしょう。