そもそも日本人は、昔から「三」にこだわってきたという。神話の時代から「三種の神器」が権威の象徴であった。江戸時代には、「御三家」が力を発揮し、高度成長期には「新・三種の神器」がもてはやされた。こうした日本人の「三好き」が生み出した「三大○○」が多くの分野で存在する。
その中に、日本三景」がある。江戸初期の儒学者林羅山の三男・鵞峰が「丹後天橋立、陸奥松島、安芸厳島、三処を奇観と為す」とその著書に書いたのが日本三景の始まりとされている。
現在でも、多くの人びとが訪れる場所である。現場に行って景観を楽しみ、感動する。一方で、その景色を維持すべく裏方の働きを忘れてはいけないだろう。マツクイムシの予防と駆除、白浜の浸食に伴う地形の維持、自然災害からの修復再建等。
わたしたちが、目の前に展開される絶景を見て愛でるのは、自然の賜物があってこその恵みであるが、さらに、わたしたちとは違った形で、自然を愛でる裏方さんたちの存在が、わたしたちの愛でる豊かさを増してくれる。
そして、わたしたちは身も心も健やかに、晴れ晴れとして、人としてもより豊かになっていく。神が望む自分を心して、・・。