かたやビジネスの世界では、「先取り」が 必ず成功するとは限らず、後発に、追い越されるケースも少なくないようです。事業では、「先取り」のタイミングが重要で、慎重さを必要とします。
ところで、全く次元の異なる話ですが、人間の人格形成について「大器晩成」という言葉があります。「大器晩成」について、辞書は、「鐘や鼎のような大きな器は簡単には出来上がらない。人も、大人物は、才能の表れるのは遅いが、徐々に大成するものである」と説明しています。また、聖書には、「後の者が先になり、先の者が後になるであろう」(マタイ20・16)という言葉がみられます。これは、天の国は「年功序列」ではなく、後から救われた人たちも、先に救われた人たちと同じ祝福が与えられると説いているのですが、人生、常に悔悛の情を失わず、大器晩成を期したいものであります。
同じように、幸せでありたければ、幸せになったつもりで語り、行動することです。わたしは、こういうことを自分のキリスト教グループで、説教するだけでなく、自ら率先して実行し、お互いに実践しあうことができるようにしています。たとえば、バレンタインデーの日が来ると、何人かの人は先生にチョコレートをプレゼントします。わたしはチョコが食べられないので、他の日に他の人に、そのチョコをプレゼントします。そして、クラスの皆さんには別の日に、独自にクッキーをプレゼントして、フィクションを交えながら、聖バレンティーノが貧しくて困っている人々に、彼らのプライドや気品を損なわないように、上手に贈り物をした物語りをして、「愛は与える」ことだというふうに締めくくります。
「善は急げ」という言葉が好きなわたしは、「先取り」をそのように解し、努めてきたつもりです。