原子力発電の是非も意見の分かれるところでしょう。ただし、推進派、反対派に関わらず取り組まなければならない深刻な問題、それはこれまでの40年間に排出された核廃棄物の処理です。保管場所も決まっていません。また放射線量が安全値に達するまで、何と10万年間も隔離し保管し続けなければならないのです。キリスト誕生から現代まで2千年間の50倍と言われても想像のつかない長さです。はるか未来の子孫にまで、負の遺産を押し付けてしまったことを申し訳なく思っています。さらに私たちは、地球が数億年かけて蓄えてきた石油資源を、産業革命以降のわずか200年間で使い切ろうとしているのです。
「地球上のすべてのものは、未来の子どもたちからの預かり物です。良い状態で引き継がなければなりません」というアフリカのことわざに耳を傾けたいと思います。
物の豊かさや便利さではなくて、身の丈に合った、心豊かな暮らしを求めて、地球という星と共存していくことができますように、心からそう願っています。