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私たちのお母さん

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

先日、家の中にある聖母マリアの像や絵を数えたら、何と31個ありました。物心つく前に実母と別れて育った私にとって「母なる人」はいつしか「聖母マリア」となっているのです。

5歳の長女がカトリックの幼稚園から借りたマリア様の絵本が好きで返すのが厭になり、私に「この人を描いて!」とせがむので、クレヨンで何とか描いてあげました、それを知った園長先生が長女に美しい「聖母マリア」の絵を下さいました。

この時、「聖母マリア」は雲の上の聖人で、我が家の聖母第一号となりました。

許嫁がいた乙女マリアは突然現われた天使の言葉によって神の子を宿します。いわゆる「処女懐妊」です。この世の常識を越えた出来事が我が身に起きたことを、彼女は神のご計画と信じて素直に受け入れ、その後に起きた不思議な事象も全て心に留め、神のみ旨を想い巡らしました。ナザレでは大工の夫ヨゼフと幼いイエスのために主婦として母として心を込めて家事育児に励んだ事でしょう。その姿を想うと親しみが湧いてきます。

成人したイエスが貧しく虐げられた人々に神の慈しみを説き、病人を癒し、死人を蘇らせるなど多くの奇跡を行って神の子として活躍し始めた時も、3年後、宗教的権威者に排斥されて十字架刑を受けることになった時も、母マリアはイエスを支え、十字架の下まで付き従い、祈りの内にその死を見守り、亡骸を胸に抱きしめました。

そして死から復活していつも共にいて下さる救い主となったキリストと共に、全ての人の願いを神に取次ぐ「天の母」となり、私の願いも叶えて下さいます。そんな優しい「聖母マリア」の像や絵に囲まれて、私は安心して感謝しながら生きているのです。

2千年経った今も、イエスは私たちと共に生きて神の慈しみに応えて生きる喜びと希望の生活、永遠のいのちに招いて居られます。

私も未熟者ながら、イエスに倣って愛することを学び、神の聖なるいのちの恵みに与りたいものです。