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私たちのお母さん

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

お母さん、お母さん、私のお母さん! 外から元気な声が修道院に響いてきます。幼稚園も終わって、子どもたちがお庭でお友達と遊ぶ中、お母さん方はお喋り。「お母さん」と何度も呼掛けて、最後に「私のお母さん!」と力強い声...。

お友達のお母さん方もいる中、「私のお母さん」と呼掛けたのは、もしかすると、「私の大切なお母さん」、「私の大好きなお母さん」、「私だけのお母さん」、「どうか私の方を向いて」という思いを込めていたからかも知れません。

2千年も昔、ユダヤのベトレヘムに救い主が生まれました。その子の名はイエス。お母さんはマリア。天使のお告げをお受けになった方。クリスチャンでなくても、この出来事は良く知られていますね。

マリア様はイエス様の大切なお母さんでしたが、イエス様は亡くなられる前に「これはあなたの母です」と弟子ヨハネに告げ、マリア様を「私たちのお母さん」として下さいました。子どもも大人も幾つになっても「お母さん」と呼べる方がいるのはどんなに嬉しいことでしょう。

「マンマ、マンマ」とイタリア人の高齢の修道士さんがよく言っておられました。ご自分のお母さんのことを思っていたのか、マリア様を思っていたのかわかりませんが、「マンマ...」と呼び掛ける声を聞いて、心温まり、微笑ましく思いました。

幼稚園の子どもたちは、毎朝、聖母子像の前で挨拶をして、幼稚園に入ります。「イエス様、マリア様、おはようございます。行って参ります・・・。」救い主であるイエス様に心を向けて、私たちの『お母さん』であるマリア様に心を向けて・・・。

私たちも子どもたちの様に「私たちの『お母さん』」に心を向けて、心を開いて、1日を始めてはいかがでしょうか?