神さまからいただく命のカード、それは神さまの自由な発露によって配られる。「えっ、神さま、私にくださったカードはこれですか」と聞き返したくなるときもある。今の世の中は、「主の祈り」にある「み国がきますように」という願いで世界情勢が動いているわけではない。人類の歴史上、かつてないような状況に向かって世界は動いている。世界の上層部は、自分のカードが最強だと思って戦っているようだが、その結末は地道にみ国を築いていこうとしているカードを引いた者に風向きが変わり、勝利に導かれることもあるのだ。
イエスがこの世で引いたカードはもっとも弱いものだった。十字架刑のカードを引いてしまったのだ。しかし、私は今、この最悪に見えるカードこそが、人びとに救いをもたらす最強のカードでもあると思うようになった。十字架についたイエスの姿を見ていると、この人こそ、小さな一つひとつのことを愛の道に導くお方なのだと信じる。自分がいただいたカード、自分がいただいた命をつぶやかず、次の世代のために、一つひとつできることを大切にして使っていきたいと思う。