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いただく命

松浦 信行 神父

今日の心の糧イメージ

「神父さん、さきちゃんの、おばあさんが危篤ですので、すぐに病院に行って、お祈りお願いできませんか?」とシスターからの電話です。「おばあちゃんは信者じゃないのですが、さきちゃんが、天国に行けないからと言いはって、パニックになるかもしれないから、よろしくお願いいたします。」とその電話は続きました。

「ハイ、分かりました。急いで行きます。」と電話を切って、私はすぐに病院へ急ぎました。病室につくと、危篤だったことが嘘のように、そのおばあちゃんは体調を持ち直し目を開いて、さきちゃんと従姉妹のはるちゃんとが騒ぎながらおばあちゃんに話しかけているのを、うれしそうに聞いてました。

「それでは、おばあちゃんのために祈ります」と私が、祈り始めると、さきちゃんは、真剣に祈ってくれました。そのおばあちゃんは、その後2週間ほどで亡くなってしまいましたが、危篤の後、2、3日してさきちゃんは、「今日は、おばあちゃんは大丈夫だから、私は、小学校に行ってきます」と、通い始めたそうです。

さきちゃんは、シスターの幼稚園にいる頃から、神様のことが大好きでした。おばあちゃんとお母さんがガンで、本人もアスペルガー症候群を持っているそうです。それで、家族は、さきちゃんのことを、とても大切に育てていました。家が皆、仏教だったにもかかわらず、さきちゃんの為ならと私を呼んで下さり、お葬式の時も、仏教のお葬式の前にお別れを、キリスト教式でやって欲しいと頼まれ、祈りました。

小学校1年生の女の子が、家族親戚を、動かし始めたのです。シスターもびっくりしながら、小さい子供の持つ、神から頂いた関わりの力を実感していました。