ですから、人はみな、自分独自の美しさを認め、それを愛し、伸ばしていかなければならないでしょう。個性を伸ばすというのはこのことです。
他の人は、お手本や模範になるかもしれませんが、決してその人の真似をしてはなりません。若いとき、わたしは偉人伝や聖人伝を読んで、その真似をしようと考えたこともありますが、大失敗でした。それより自分らしく生きようと決めました。
バラはバラらしく、スミレはスミレらしく、ナズナはナズナらしく咲くように、わたしはわたしらしい花を咲かせることではないでしょうか。勉強好きな人は勉強すればよく、運動の好きな人は運動をすればよく、芸術が好きな人は作品を作ればいいでしょう。
わたしは祈りが好きだったので、修道院に入りました。また、本屋の息子で育ちましたので、炬燵に入って本を読むのが大好きでした。
自分らしさを見つけるには、まず好きなことが何かを知ることです。次に何が出来るかを探ります。最後に何になり、何をやりたいかを知ることです。これは、就職ガイダンスの時にも、学生に話したことでした。
要するに、自分の適性を見つけることです。