右近はお茶・茶道を嗜んだそうですが、乱世の折、お茶を好んだ武将たちは、よく戦いの前に、同じ茶碗で茶を飲み、一期一会の時を過ごしたと伺ったことがあります。最後の茶、今生の別れになる・・・、そんな思いで、大切な人との時を過ごしたのかも知れません。右近は、きっとその様にご自分の時、一度限りの人生を大切に歩まれたのでしょう。
私たちは、何を大切にして歩んでいるでしょうか。右近は大切なものを守るため、多くを手放しました。でも大切なものは決して手放さずに、右近らしく生きてゆかれたのですね。
慌ただしく日常を歩んでいる私達ですが、歩みを少し止めて、自分らしさって何だろう、自分らしさを生きているかなと考えて見ては如何でしょうか。もしかすると様々なことに流されて、本来の自分、生き方、大切なものを見失っていることに気づくかも知れませんね。
そのことに気づいたとすれば、それは決して小さなことではなく、大きな気づきだろうと思います。そして心新たに、大切なものを大事にしながら歩んでゆく時、その歩みは今までと違った歩みになるでしょう。新たな自分らしい歩みがどうか祝されたものとなります様に。