そんな時、イエスの「わたしのもとに来なさい」というみ言葉に救われるのです。肩にくいこんでいる重荷を外してくださるだけでなく、それを、ご自分の荷と軛に替え、背中をポンと押して、人生を新しくやり直す勇気さえも与えてくださるのです。
つまずかない人生を送ることが、人間にとって大切なのではありません。人間のこと、つまずくのはあたりまえ、ただ、その時くじけてしまわないことが大切なのです。自分の愚かさに心を奪われ、我と我が身に愛想をつかし、やけになったり、落ちこんでしまわないことが大切なのです。
ご自分も数々の失意を味わわれたに違いないイエスは、そんな私たちに向かって優しく、「くじけないでいいんだよ。古い荷物を重くしていた、うぬぼれや、自尊心を肩から外してごらん」と言い、新しい荷と軛に取り替えてくださいます。そして、柔和で謙遜になることこそが、くじけない秘訣であることを教えてくださるのです。一生ついてまわる荷物と軛を、主に倣って担ってゆきましょう。
シスター渡辺和子さんは、平成28年12月30日帰天されました。シスターのご冥福をお祈りしています。