▲をクリックすると音声で聞こえます。

旅立ち

植村 高雄

今日の心の糧イメージ

「私は何処へ向かって旅をしているのだろう?」、この言葉は世界中で人々が自問自答している大きな課題です。アフリカ、中近東、アジア、欧米、色々の場所で人々は色々の旅立ちをしています。

今、自分が置かれている場所が戦乱の地区ならば、平和を求めて難民として旅立ちますし、余りにも平和で、何をしていいかわからない国の若者は、それなりの冒険を求めて旅を始めます。

さて、どの場所にいましても、自分の生き甲斐に目覚めた人は、その自己実現への道を歩き出しますが、生きている意味に気付かない人々は、そのストレスに苦しんでいます。ストレスとは、その人の理想と現実のギャップの事です。人それぞれの生育史の中で構築された「理想」があります。その理想とは、こうあるべきだ、こうありたい、という願いのこと、かたや「現実」があります。

健康で元気な人は、そのストレスを解消すべく楽しんで人生の旅を歩きますが、少々、人生に疲れてきますと、歩く力がなくなり、旅の途中でバタリと倒れてしまいます。無理な理想像を自分が樹立していると歩く元気がなくなりますから、身の丈にあった理想像かどうか、時々確かめる必要があります。

そして、現実を暗い方向で解釈する人と、明るく解釈する人もいます。解釈が暗いと素敵な理想像も台無しになります。

こうして、人はそれぞれの旅をしていますが、オアシスで休む時には、必ず、自分の理想と現実を点検する必要があると思います。

旅立ちをしたら、何としても天国に到着したいものです。