また、私たちは思い定めて何かを始めることがある。例えば、大人になってからの習い事や勉強、ボランティアなどがそうだろう。その人の内部の時間が満ちてきて、始めたことなので、外側にある年齢などとというものには関係がない。30代の終わりに定時制の高校に通った人もいれば、60歳を越えて大学に通い、博士号を取得した人もいる。
始めるとは、自分をゼロの位置に置くことだ。傲りや飾りを捨てて、無心になると、自分自身が開かれていく。すると、最初は小さな泡のように、やがては泉のように湧いてくるものがある。それは静かな喜びだ。世界を迎え入れる喜びだ。
無心で待っている者に、善きものが与えられないわけがあるだろうか。それは信じられてもよいのではないだろうか。
新しい年が開かれた。私たちも静かに開かれていく。