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2人3脚

末盛 千枝子

今日の心の糧イメージ

2人3脚。これは、子どもの時から聞いている言葉です。運動会になるとよく使う、とても身近な言葉です。そして、2人3脚にもっとも必要なことは、2人の人間の気持ちがぴたっと合っていることです。そして、2人の息がピタッとあって、うまくいったときの爽快感は、例えようもありません。そして、よく考えてみれば、私たちは、一生の間、神様と2人3脚をくんでいるのではないでしょうか。どんな困難にあっても、必ず、あの方が一緒にいて下さる、そう思えれば、とても幸せではないでしょうか。どんな困難にあっても、きっと絶望しないで生きて行ける、そう思うのです。

私の好きな言葉に「恐れるな、私が共にいる」という言葉があります。確か聖書のどこかに出てきたのだったと思います。これは本当に心強い言葉です。

聖書に出てくるのは、言い方を替えながら、繰り返し、繰り返し、そのことを言っておられるのだと思います。先日も、教皇フランシスコは、アフリカでのお説教の時に、キリストが弟子たちに、湖の向こうにわたろう、と言われたときのことを話されました。そして、キリストは、私たちに一人で渡るようにと言っておられないと話されました。「恐れるな、私が共にいる」という言葉を思いました。なんと心強いことでしょう。

昔、私が働いていた出版社の社長が、とても面白い人で、何かと言うと「骨は拾ってやるから」と言って励まし、若い社員の背中を押してくれるのでした。その時は、何だか変わった人だなと思っただけだったのですが、あの言葉には、大いなる励ましがあったのです。そのことに今頃気がついているのですが、あれはとても良い言葉でした。