年を重ねた方々に共通して言えることは、多くの経験を積み、様々な感情を味わってこられたため、他の方の人生を尊重できるようになることではないでしょうか。理想どおりに生きられた時期と、そうできなかった時期があり、そのどちらからも多くを学んでこられたのだと思います。また、年齢を重ねて体力的に出来ないことが増えると謙虚さが増し、若い時よりも、他者を受け入れる優しい穏やかな気持ちが培われるように感じます。そのような姿はとても美しいものです。
老いることは「人」として完成に近づくことを意味します。人は誰もが成長し、やがて、命の終わりを迎えます。私たちは、神が与えてくださった可能性に精一杯応えた後は、ゆっくりとすべてを神にお返ししていくのです。老いという時期に入るのは極めて自然なことです。
かつて、美人だと評判だったある女優さんが、お年を召すと不自然に化粧を濃くし、シワが出来ないようあまり笑わないようにしていました。それは、パサパサとした潤いも味わいもないお姿でした。
反対に、歩んでこられた道に満足し、お年にあった成熟した態度を見せてくださる年配の方にお会いするとホッとします。私もいつかそうなりたいなぁと目標にすることができるからです。