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2人3脚

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

昔は運動会の定番だった2人3脚という競技ですが、最近はもっぱら言葉として、協力する態度を表現する時に2人3脚と使うようです。でも、ちょっと競技でのコツを振り返ってみましょう。

まず、足と足を結びつける時は、間に握りこぶし一つ分を空け、足首より少し上でひもを結びます。お互いに肩を組み、上半身はピタリとつけて、スタートラインに立ちます。必ず結ばれている足の方から出す事にして、2人息を合わせリズミカルに走ります。速い人の方が相手の体をしっかり抱えて、遅い人は結ばれた足にだけ気持ちを集中します。こうすると速い人のペースに乗れるのです。

これを人生に置き換えてみましょう。

まず夫婦の人生は2人3脚そのものです。両者が同じ力を出そうとすると、息が合っている内はいいのですが、段々ずれてくると大変です。力を発揮出来る方が相手を支え、片方は信頼を寄せる方が上手く行きます。そして足は余裕を取って結んだように、互いの自由は尊重しつつ、共に歩んでいるという自覚と責任を持ち続ける事が大切です。

次に並び立つ人同士の協力関係です。会議での議長・副議長や、団体の代表と副代表のように、リーダーとして物事を動かしていく2人は、基本の考え方は事前に話し合って、同じ方向にしておかねばなりません。その上で時に応じてリードする側と、補佐する側が「あ・うん」の呼吸で物事に当たれば、大抵上手くいきます。

人という字が一画と二画で支え合って出来ているように、人はその時々、誰かと2人3脚をして生きているので、走るコツを身につける事が大切です。

そしてそのコツは、人生が神様にしっかり支えられて走る2人3脚だと気付き、安心と感謝を自覚する時、身に付くのです。