私は人間と植物の垣根を超えて、自分の心を開いて命の対話を試みました。
「ねえ、カポックさん。今、何が一番欲しいの。水なの。肥料なの。それとも・・・。」
私はカポックのそばに行き、カポックの気持ちになって周りを見渡してみました。リビングの暗い天井、冷たい板の間。遠くの縁側には光があふれていましたが、ここまではさしてきません。閉め切った空間なので縁側から入ってくる風も届きません。人には見られるけれど、自然からは取り残されています。
〈私が欲しいのは、太陽の光、そして風〉観葉植物の声が聞こえてきました。私はハッと気が付きました。
「つらい思いをさせてごめんなさいね。あなたには、太陽の光と外の風が必要だったのね」
私はすぐに植木鉢を縁側に移しました。そして、太陽と風がよく当たるようにしたのです。それからです。香港カポックは元気を取り戻しました。
心を開いて接したら、観葉植物の心と対話できたのです。