聖歌の中に「わたしは門の外に立ち、扉を叩いている。もし、声を聞いて門を開けるなら、わたしは中に入り、あなたと共に住む」という箇所があります。扉を叩いている方はイエス・キリストです。
心のノブは内側にしかついておらず、その方が開けたいと思うときにだけ開きます。どんな権力者も心を無理にこじ開けることは出来ません。心は人間に与えられた尊い領域で、本人の同意なしに誰も勝手に入れない美しい部屋なのです。神さまも人を尊重し、扉をノックして待ってくださいます。神のノックを聞いて扉を開くなら、その人は神とのつながりをもつことになります。それは「祈る」ということです。祈るなら、少しずつ神に似たものに造り変えられ、やがて、傷つくことを恐れない人になっていきます。神から愛と勇気を注がれるからです。
今、世界が危機に瀕していることは誰もが知っています。
日本は、戦争もしていないのに毎年三万人が自殺し、数十万人の胎児が堕胎されています。このような冷え切った時代、他者に心を開いて笑顔を向け、温かな言葉をかけたり、自分の出来る奉仕を始めたりする人が本当に必要なのです。その人は他者を信頼することで人を変え、少しずつゆっくりと世界を変える人だからです。