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新しいいのち

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

春先、木々に目を向けると、眠っている様に思えていた枝の先々に小さな芽。少しずつ伸びていって、緑色の柔らかな枝となり、葉も青々と茂ってゆく。その姿に新しいいのちを感じます。

そしてお母さんの腕に抱かれた赤ちゃん。あなたに向かってにっこり微笑んでくれると、嬉しくなり、喜びで一杯になったことはありませんか。小さないのち、新しいいのち、どんなに小さないのちでも他の存在に影響を与えるほど、他の存在を変えてゆけるほど、大きな存在なのでしょうね。

外に目を向けると、私たちは多くの新しいいのちを目にし、またそのいのちに触れることができますが、私たちの内に、私たち自身に目を向けたとき、何が見えるでしょうか。

私たちは日々食べたり飲んだりして生きています。食物をいただいて生きる私たち。私たちの体の中では、絶え間なく新たな細胞が作り出され、それによって私たちは生かされています。

赤ちゃんっていいな、若さっていいなぁ。齢を重ねるにつれ、そんなことを思う時もありますが、私たちの中で起きていることを想う時、私たちのうちに「新たないのち」が生まれ、そのいのちによって生かされていることに気付かされます。

今、この一瞬も、新たないのちに生かされている私たち。そのことに心を留めるなら、きっと私たちは大きく変えられてゆくことでしょう。

全てのいのちを大切にしながら、私という自分自身の存在も大切にしながら、感謝のうちに、私たちの存在を支えて下さっているお方にも心を向けながら、歩んでゆければどんなに嬉しいことでしょうか。

新しいいのちに生かされながら、いのちを生きる私たち。

今日も新しいいのちに生かされながら、この一日を大切に歩んでゆきましょう。