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勇気を持って歩む

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

主婦として、4人の子どもの母として生きてきました。幼児期に両親を亡くした私の夢でしたから、貧しくても幸せでした。

長女と長男が結婚し、孫も出来てほっとした矢先、夫の癌が発覚。突如「死」と向き合う日々となりました。全てを滅ぼす暗闇の恐怖・「死」には全く無力なことを悟りました。しかし、イエス様に祈ると天から一条の光が差し込んで心が安まりました。まさに命綱でした。夫はこの命綱に縋り、微笑みながら天に召されました。神のいのちと共に生きるいのちの完成を得たのです。

「天国で四六時中、あなたのために祈るお助け天使を持ったのよ」と教会の友人が言ってくれました。

夫と生きた日々を書き綴りました。無意識に過去の愉しかったことを思い出して今を慰める「回想療法」をしたのです。その本が出版されるや、私は今後一人でどう生きたら良いか途方に暮れました。夫や子どもの事を優先して生きてきたからです。

アメリカ留学中の長女一家に誘われて渡米し、そこで還暦を迎え、「60の手習い」で今までできなかった英語の勉強をしようかな?と、英語学校に入りました。初めて自分のために生きる決心でした。

長女達が帰国した後も一人アメリカに残り、大学に入り、更に大学院に進み、卒業の喜びを胸に帰国しました。

思わぬ成り行きでしたが、その節々で躊躇する私が先に進む勇気を得たのは心に感じる夫の祈りと励ましでした。夫の後ろにはイエス様、マリア様、ヨゼフ様がいて、必要な助け人が必ず与えられたのです。勉強も厳しい反面、先生やクラスメートの助けと励ましで乗り越えました。

人は認められ、励まされるとやる気が出ます。出来ない、と勝手に諦めないで祈りながら励むと、前に歩む勇気が湧くことを体験した7年半の留学生活でした。