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クリスマスとは

シスター 菊地 多嘉子

今日の心の糧イメージ

ほぼ2000年前、ユダヤのベツレヘムで、一人の男の子が生まれました。皇帝アウグストゥスの勅令に従って住民登録をするため、ガリラヤの町ナザレから上って来た若い夫婦が、家畜小屋で夜を明かした時のことです。宿屋には泊まる場所がなかったので、誕生したみどりごを布にくるんで飼い葉桶に寝かせました。

ルカ福音記者によるイエス誕生の次第(2・1〜7)は、読む人を驚かせます。旧約時代の人々が待ち望んでいたのは、イザヤが預言した救い主ではなかったでしょうか。「ひとりのみどりごが私たちのために生まれた。ひとりの男の子が私たちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は『驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君』と唱えられる。」(イザヤ 9・5)この方が王宮ではなく、家畜小屋で誕生したのです。

救い主イエスの人智を超える偉大さと神秘にふれるには、心の目が開かれていなければならないでしょう。おとめマリアは、神の使いから、救い主の母となることを告げられたとき、「神にできないことは何ひとつない」(ルカ1・37)との言葉を受け、「お言葉どおり、この身に成りますように」(同1・38)と答えました。神が望まれることはすべて、心底からいただき、み旨は必ず実現すると信じて生きる、マリアはイエスの母として、生涯この信仰を貫き通します。わが子の十字架上の死と復活によって、人類の救いが成就するときを待ち望みながら。

クリスマスを祝う私たちの心に、救い主を世に送ってくださった父である神様への賛美と感謝、御子イエスと聖母マリアへの愛が深められますように!また、私たちの支えを必要としている人々に優しく手を伸べ、愛を分かち合う喜びを味わうことができますように!