顧みるに、今を去ること69年前、若人には記憶にもない大日本帝国は、二発の原子爆弾によって太平洋戦争に敗北、奈落のどん底から、奮起一番、平和国家に甦りました。なにより人命尊重、戦争放棄という高邁な理想を掲げ、世界恒久平和に寄与することを世界に誓っています。
ところが、世界の現状は、どうでしょう。戦争は止まず、毎日、どこかで、尊い命が失われています。戦争のない国に於いてさえ、人を殺める事件が連日、ニュースとなっています。この嘆かわしい現状に、キリスト教でいう人間の原罪とその罪の深さ、恐ろしさを認識させられる思いがします。
今、まさにクリスマスシーズン、人間の罪をあがなうため、人と成り給うたキリスト誕生の意義を深く悟らしめてくれる時であります。
人類への戒律、"汝殺すなかれ"を、知るや知らずや、続く人命軽視、無視の風潮に、神の赦しと憐れみ、人々の回心を願わずにはおられません。
"天に栄光 地に平安"、天を仰ぎ、ひれ伏し、人類の平安を祈る降誕祭であります。