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クリスマスとは

黒岩 英臣

今日の心の糧イメージ

ルカ福音書によると、ユダヤのナザレという町に住むマリアという乙女の元に、天使が訪れてこう言いました。「おめでとう、あなたは神から恵みを頂き、男の子を産むでしょう。その子をイエスと名付けなさい。その子はいと高き神の子と呼ばれるでしょう」と。マリアは慎ましく、「仰せのとおりこの身になりますように」と答えられました。(参:1・26〜38)

イエス誕生の前、ユダヤ人にも住民登録をせよとの命令が出されました。そこでマリアも、許婚のヨゼフと一緒に、登録のためにナザレからベトレヘムへと上って行き、そこにいる間に月満ちてイエスを産んだのです。

ここから先はとても有名な場面です。

曰く、馬小屋での出産、飼葉桶に眠る幼子イエス、周りに駆けつけてきた羊飼いたち、それに、マタイ福音書では外国から東の星を見て礼拝にやってきた3人の博士たちにも言及しています。

以上、クリスマスの外側を、ご紹介しました。

この幼子イエスは30年後、父なる神の私達人類への思いがどんなものであるかを、その神のひとり子として人々に教え始めました。それを僭越だとする人々から、十字架に釘づけられて死んでしまったそのイエスを、父である神は復活させたのです。そして、イエスは弟子たちに、復活して生きているご自分を現わされたのです。

この時以来、弟子たちと初代教会は、先に述べたマリアの言葉や、人間イエスの誕生が、旧約聖書に書かれていたことと繋がりがある事に気がつき、以来その理解を深めていったという事情があるのです。

つまり、神に感謝どころか、反旗を翻してしまった人祖に代わって、マリアの承諾と、人間イエスの、死をも厭わない神への従順によって、私達にはもう一度、幸せになる道が開かれたのです。