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ストレス解消法

片柳 弘史 神父

今日の心の糧イメージ

人間関係が思った通りにならない。仕事が思った通りに進まない。思った通りの人生を生きられない。そんなとき、わたしたちはいらだち、心にストレスをためてゆく。ストレスの原因は、どうやら相手が、あるいは自分自身が、自分の思った通りにならないことへのいら立ちにあるようだ。

なぜ、わたしたちは思った通りにならないといら立つのだろうか。それは、相手に、あるいは自分自身に、過剰な期待を抱いているからだと思う。たとえば親子の関係。「わたしの子どもなのだから、理想的なよい子に育ってほしい」という期待が裏切られるとき、わたしたちはいら立ち、子どもに腹を立てる。だが、自分の子どもだからといって、自分の思った通りに育つはずだと言えるだろうか。子どもには子どもの人生があり、それは子ども自身が選んでゆくもの。親が、子どもの人生を決めることはできない。そのことを思い出し、子どもの生き方を尊重できれば、子どもの振る舞いを見ていら立つことはないだろう。

子育て中に、自分自身に腹が立つこともある。「わたしはもっと理想的なよい父親、よい母親になれるはず」という自分への期待が裏切られるとき、わたしたちは自分自身に腹を立てるのだ。だが、わたしたちはそんなに立派な親になれるはずの人間なのだろうか。背伸びするのをやめ、自分の限界を受け入れられれば、自分へのいら立ちは消えてゆくに違いない。

ストレスをなくす一番確実な方法は、すべてを自分の思った通りにしたいと願う傲慢な心を捨て、謙遜な心であるがままの相手、あるがままの自分自身を受け入れることだ。心にストレスがたまったときには、「わたしは相手に、あるいは自分自身に、過剰な期待をしていないだろうか」と自分に問いかけてみたい。