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簡素

ハヤット 神父

今日の心の糧イメージ

キリスト様は山上の説教の初めに「心の貧しい人は幸いである」(マタイ5・3)とおっしゃいました。と言いますのは、心の貧しい人は簡素な生活を送るからです。心の貧しい人という言葉は、分かりにくいかもしれませんが、その反対のことを考えるとお分かりになると思います。

心の貧しい人の反対は、贅沢な心の持ち主です。そのような人は欲張りで、どれだけ財産を持っていても満足しないで、もっとたくさん欲しいと思っています。そのような人は多くのものを持っていても決して満足できず、本当の幸せを体験することは出来ません。

これに対して心の貧しい人は簡素な生活を送り、人間らしい生活ができればそれで満足して、幸せな生活を送ります。その意味で、キリスト様は「心の貧しい人は幸いである」とおっしゃいました。その後で、「天の国はその人のものだからである」とつけ加えられました。

なぜなら、天の国にいる聖人たちは神様を愛し、いつも神様の御旨にかなっているので、何も心配することなく、安心して幸せな生活を送っています。

この世の中の心の貧しい人は、天国の聖人と同じように神様の御旨にかなうように努め、人生のすべてを神様にお委せします。そして、どんな問題が起こっても、絶望しないで、心の平安を保ち、神様の御助けによって解決され、最後には幸せになれると信じています。ですから、将来を心配しないで聖人のように天国の幸せを体験し始めます。

キリスト様が「心の貧しい人は幸いである。天の国はその人のものだからである」とおっしゃったように、私たちも、毎日神様にすべてをお委せし、精神的にも簡素な生活を送ることによって、天国での幸せを少しでも体験できるようにしたいと思います。