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マリア様の役割

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

晴れ渡った青空の日、私はマリア様を想い、次の聖歌が自然に口にのぼります。

『マリア様の心、それは青空、私たちを包む、広い青空・・』

歌いながら、マリア様が水色の衣の裾を翻して大空を駆け巡り、私たちの祈りや願いをイエス様に取り次いで下さっていることを想い、暖かい気持ちに包まれます。

マリア様は神の子・イエス樣を生み育てた母として、我が子が迫害にもめげず、命をかけて天の御父の愛を人々に告げ知らせる使命を果されたそのお働きが、決して無駄にならぬように、一人でも多くの人が神の救いに与るように懸命に働いておられるのです。

マリア様はカナという村での婚礼にイエス樣たちと客として招かれたのに、宴会の葡萄酒が切れかけたことをイエス様に伝えます。最初イエス様は素っ気なくされましたが、マリア様はその家の召使いに「この人が何か言ったらそのようにしてください」と頼みました。やがてイエス様は召使いに「水瓶に水を満たして給仕係に持って行きなさい。」と言われ、その水を一口飲んだ給仕係を感嘆させました。それほど上質の葡萄酒に変化していたのです。

この不思議な出来事はイエス様の最初の奇跡と言われますが、マリア様のとりなしによって起きました。婚礼の祝宴で葡萄酒が切れることは主人側の大きな恥です。それをいち早く気づいたマリア様の心遣いと、我が子イエスへの信頼があったからこそでしょう。またイエス様も一度は断ったのに、母マリア様の優しい気配りと信頼に応えて神の愛の力を発揮されたのです。

このようにマリア様の「とりなし手」としてのお働きは、イエス様を信じてより頼む私たちの心の支え、慰めです。祈りや願いを優しく取り次いで下さり、それはいつか必ず叶えられると思えば、勇気と希望が湧いてくるからです。