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マリア様の役割

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

聖書に初めて登場されたマリア様は受胎告知の所で、処女マリアと呼ばれています。エリザベツ訪問を経て次はベトレヘムへ向かわれてからで、キリストの誕生からは聖母マリアとなられます。やがて歳月が過ぎ、使徒達とマリア様の上に聖霊が降り、昇天なさると、「天の元后マリア」と呼ばれ、永遠の存在となられました。

そう、マリア様はまずキリストの母でいらして、最後に人類の母である天のお后様になられたわけです。

まず普通に母の役割を考えてみましょう。無力の赤ん坊に衣類を着せ入浴をさせて身体の清潔を保たせ、授乳から離乳食へと成長にあわせ食べさせ、不快で泣き声を上げれば調べて不快を取り除き、抱きしめて安心を与えます。やがてつかまり立ちからヨチヨチ歩きとなっても決して急がせず、辛抱強く成長を見守り自立を促し、愛情を持ってその人格を支え、最小限必要な手助けをします。注意深く子供の成長を観察し記録したりもしますが、子供本人に対してはいたって自由にさせて信頼関係を築きます。優しく健康で頼りになる存在こそ理想の母でしょう。

マリア様について聖書の描写では、思い廻らせていらしたという記述が多いのですが、きっとあまり口に出される事は無く、全ての事態についてじっと注意深く見守り、絶えずその事柄について思慮深く考えていらした事が解ります。カナの婚宴のエピソードでは、マリア様のそんな理想の母の姿を物語ります。

何時の時代も人々にとって平和の希望と、天変地異への恐れは永遠のテーマです。ことに21世紀に入り人類の未来に、不安を抱く事態にまで至りました。

今やマリア様の役割は、人類の倣慢さや甘えを受け止め、反省を促して下さる事でしょう。

日々祈りを捧げ、母なるマリア様に父なる神への取り次ぎを、お願いするばかりです。