女性の人権意識が低かった時代、一人の女性として生き、母として、イエスという稀有な存在を育て上げたのがマリアでした。
イエスの母であるということは、イエスの稀有な生涯を共有し、ほかのどの人間にもできない役割を果たすということにほかならなかったでしょう。その意味で、マリアは特別な人として位置づけられていったのではないでしょうか。
神様はもちろん、天の父お一人です。でも、神様のほかに、聖人や天使、マリア様という助け手がいて、私たちに手を貸してくれるのです。それはちょうど、白い杖を片手に道を歩いているとき、人ごみに迷った私に誰かが誘導の手を貸してくださるような感じに思えます。正しい方向を知らせ、歩みを助け、判断のヒントを与えてくれるのです。
マリア様は、そうした「助ける方」のなかでも、最もイエスに近い方なのではないでしょうか。その位置から、私たちを助け、道を示してくださる方といえるでしょう。
神様に祈るのと違い、マリア様には話しかける感覚ではないかと思います。迷ったら、「マリア様、助けてください」とつぶやいてみると、何か名案を授けていただけるかもしれません。