ところがある年のクリスマス、教会の前で落合い、ミサに誘ったところ、教会に入るのは初めてという彼女でしたが、一緒にミサに与り、祝福を頂いた彼女は、ミサ後、一緒に神父様に会いました。 神父様は言われました。「絶対にダメと諦めていては本当にダメですが、神様に近づこうと前に立てば、ほら、銀行のドアだってすっと開くでしょう?」
このことがきっかけで、彼女は受洗へと導かれたのです。
N子さんの洗礼式の翌日、彼女から電話です。「心が軽くてすっかり解放された気持ちなの。嬉しくて、嬉しくて、本当に不思議でしょうがないの」
式に出席した私も同じ気持ちで、これからは神様と共に生きる信仰の喜びを分かち合えるのが嬉しくてなりませんでした。
これは30数年前のことでした。
今、彼女の身に起こった一連のことを振り返ると、勝手に諦めなくてよかった!と思うと同時に、「神にできないことは何ひとつない。」というみ言葉が胸に強く響きます。(ルカ1・37)
困難にぶつかる度に、私たちは弱さをさらけ出して悩み、苦しみ、迷います。しかし最後は涙の内にイエス様・マリア様に祈って全てを委ね、心の平安を得て、正しい事を悟ります。
弱い私たちですが、いつも共にいて下さるイエス様により頼むと、新たな力を得ることを体験し、希望を持って一歩踏み出す勇気をいただけるのは、信仰の賜物だと感謝せずにはいられません。