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古い自分を捨てる

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

カトリック教会には「ゆるしの秘跡」というものがあります。それは神父様に罪を告白するチャンスで、古い洋画を見ると時々出てくる「ざんげ」のことです。とても素晴らしい経験です。

カトリックの神父様たちは、独身で、全生涯を神と人々にささげる「神様の代理者」です。神がその方を「神父」として選んだので、信徒は、神の選びに信頼して一か月に一度くらい、自分が犯してしまった過ちを打ち明けます。そして、神様からゆるしをいただきます。罪を告白するときに味わう恥ずかしさも役に立ちます。恥ずかしい、と感じると次はどのようにして同じことをしないですむかと対策を練ることもできるからです。私たちは、いくら決心しても同じ罪を犯してしまうものです。自分のどうすることもできない弱さに繰り返し直面するのは辛いものですが、罪を認め、神にゆるしていただくとそのうちに謙虚になり、他の人の欠点にも寛大になっていきます。出会った相手を理解したいと感じるようにもなります。

 

「古い自分を捨てたい」と努力しても、なかなか思うように変えることができないので闘いがいります。しかし、そのことのゆえに神に繰り返し祈ることになり、神に信頼する力が育っていくことも素晴らしいのです。

「ゆるしの秘跡」を受けることは不思議な解放感をもたらします。すぐには古い自分を捨てられなくても、このままで神に愛されていることに目が開かされ、過ちにクヨクヨし、自分という牢獄に縛られていた状態から、いつのまにか出ていることに気づきます。神様は私たちの過ちをゆるし、立ち上がる勇気を何度でもくださることを体験するのが「ゆるしの秘跡」です。