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まわり道をしても・・・

小林 陽子

今日の心の糧イメージ

昨年夏、あるグループの研修会場で、お隣に座っていらしたシスターとの出会いがありました。

人なつっこく穏やかな笑顔の、その初老のシスターと四方山話を交すうち、思いがけずわたしは「実はこれからの残りの人生を、すべて神様にお捧げしたいと道を探しております」と胸の内をお打ちあけしていたのです。そのシスターはたいそう喜ばれて、「それは大変なお恵みです。ぜひお助けしたい」と、休憩時間に細かくメモを書いて下さって「うちの長上のシスターにお手紙を書いてごらん下さい」と熱心なおすすめを頂きました。

70才台という年令の壁は越えがたく、結局このお話はかなえられませんでしたけれど、仲立ちをして下さったシスターからはまた世間にあってもお祈りと奉仕のよき奉献生活をなさいますようにとの愛情の溢れたあたたかいお手紙を頂いて感激いたしました。ずっとお祈り致しております、とおっしゃって下さるこのシスターとの出会いこそお恵みでした。

それでもどこかで諦めきれないわたしに、神さまもしぶといやつとあきれておいででしょう。

近ごろ、よく若い人達が「自分がなにをほんとうにしたいのかわからない」「将来を思い描けず進む道がみえない」と言うのを聞きます。

生きづらい現代社会の閉塞感、夢や希望をもちにくい時代ともいわれます。

でも焦らないで。人生でムダなことはありません。ちょっとカッコつけていうならば、人生の荒波をくぐり抜けてきて、ここまできてもまだ「まわり道のまっさい中かもしれない」などと思うのです。

やがてまったくべつな道がひらかれて、「すごーくまわり道をしたけれどやっと!」と叫ぶ日がくるかもしれません。

「神さまはちゃんと用意していてくださるよ」