そこにきたメンバーたちは、最初は当たり障りのない報告をするだけだったが、暫くして気心が知れてくると、自分の身の上話を始める。地獄の底をはいずり回るような壮絶な話に他の参加者は圧倒される。
ほとんどが家族からも見放され、その居所さえもわからない状態から始まる。
それが暫く続けていると、そのうちに、家族の居所がわかった、家族から手紙が来た、家族と会った、一緒に食事をしたという報告が逐次なされるようになる。
他の参加者たちはそれを時に涙を流しながら一緒に喜ぶ。
ほんとうに「救われる」ということはこういうことだと実感する。その人が「復活」していくプロセスを目の当たりにすることは大きな感激であり、入門講座で教わることより心を動かされる。
今は、教会でのこのミーティングは開かれなくなってしまったので、このようにアルコール依存症から完全に立ち直り復活されたという感激を味わえなくなったのは残念なことである。