子供たちが全員小学校へ入学し、子育ても一段落した頃のことでした。同居していた私の両親が次々と病に倒れました。母はパーキンソン病で身の回りのことができなくなりました。その看病に頑張っていた父が、突然倒れました。肺がんでした。
私は両親の介護と看護につきっきりになりました。特に父の酸素補給には気を遣いました。酸素ボンベの中が空になってしまったら、父は死んでしまいます。朝から晩まで気を張り詰めた日々でした。両親の命は、私の双肩にかかっていたのです。そんな時、不思議なことですが、あれほど病気がちだった私は、風邪さえひかないのです。
5年ほど前、私は夫とともに北海道に移住しました。2頭の羊を飼い始めましたが、今は7頭に増えました。毎朝、毎夕、羊たちの世話で大忙しです。冬は外気温が零下20度になる寒さです。毎日羊小屋に行って掃除をしたり、えさをあげたりします。そんな忙しい日々ですが、風邪一つひかないのです。
病弱だった少女時代と比べると、夢のようです。
私が健康になれた秘訣。それは、私が愛するもの、すなわち私を待っているものがいるからです。子供たち、両親、そして動物たち。彼らのために、病気なんかしている暇は、ないのです。