ところで、かつては、日本の会社では終身雇用が普通でした。最近のデータでは、新規中学、高校、大学卒業者の3年以内の離職率は、それぞれ7割、5割、3割と言われています。選択と現実のギャップが大きいというのが理由の一つのようです。就職活動をするとき、多くの学生は、自分がしたいことを考えてというよりも、就職人気ランキングや企業ブランドという社会的な基準をもとに、正しい解答を見つけるかのように選んでいるそうです。
そこで、非営利活動法人キャリアクルーズなる組織が東京都内に「キャリア大学」を設立したところ、大変な人気だそうです。これは、学校法人ではなく、「企業がキャンパスになる」という考えのもとに、企業に対しては新しい教育と社会貢献の場を提供すると同時に、学生に対してはキャリア観をつくり出すための場を用意するというものです。若い人々が、自分自身で生涯を通してやりたい仕事を考え、自分の利益のためだけでなく、社会に貢献し、人々の善に役立つ努力をして欲しいと思います。