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クリスマスのおとずれ

阿南 孝也

今日の心の糧イメージ

アドベントカレンダーをご存じでしょうか。美しい絵の中に、1から25までの数字がばらばらに書かれ、数字をめくると花や動物などの可愛い絵が見つかるのです。12月になると、毎日一つずつめくって、子どもたちがクリスマスを待ち望むのです。大きな壁掛け用からはがき大まで、形も円や四角、立体の物まで様々です。

私たちの教会では、ドイツから直輸入して販売しています。売り上げは全額クリスマス献金として、カトリック教会が運営する市内の児童養護施設に毎年寄付しています。児童養護施設は、親がいない、あるいは、虐待や貧困、病気のため一緒に暮らすことができない18才以下の子どもたちのための施設です。

献金をお届けする折りに、その年の新製品で、大きくてとびきり可愛い壁掛け用アドベントカレンダーをお持ちすることにしています。カレンダーをはじめて届けた年は、「早く次の日にならないかな」と、カレンダーの前で子どもたちがうずうずしていたと伺いました。

次の年も、新しい大きなカレンダーをお届けしました。「あっ、あの教会の人たちが持ってきてくれたのだ」と、新しいカレンダーもさることながら、自分たちのことを覚えていてくれたことの喜びをまず口にしていたと、職員の方から伺いました。これまで、様々な事情から、約束が果たされなかったことや、期待が裏切られた経験を重ねてきて、小さな天使たちの心を傷つけてきた重さを知りました。

小さな体、小さな心を痛めることなく、また悩める親たちに必要な助けが与えられますように。「民全体に与えられる大きな喜びを伝える」。(ルカ2・10)わたしたちがクリスマスのメッセージに心を開き、神の愛ゆえに創造されたすべての命が大切にされる社会の実現を心から祈ります。